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タレントマネジメント

タレントマネジメント3

知識社会化、サービス経済化、人材の多様化などによって1人ひとりの才能(能力)を最大限活かし、さらに個々の能力を組織の力につなげることがカギとなっています。では、タレントマネジメントの実践にはどのような視点が必要なのでしょうか?

- 委員会
第3回 議事要旨
『学習する組織実現に向けた施策』

2012.01.23

<要旨>

問題提起
日本企業で”学ばない”現象が起こっている。メンバー層では学習する層と学習しない
層の二極化が顕著になってきた。ミドル層には学習意欲の低下がみられ、トップ層においても学習意欲が喚起されていない。
あらゆる階層で見られるこの”学習しない”状況を打破し、日本企業が学習する組織を取り戻すためにはどうすれば良いのだろうか?

要因
“学ばなく”なった要因はどこにあるのだろうか?二つの側面が考えられる。即ち、学
習していない個人が重要ポストに登用されている面と、ポストに就くことで個人が学習しなくなる面である。
①評価基準の不明瞭さ
まず前者に関しては、評価基準の不明瞭さが原因である。人間関係のリレーションや過去の実績のみで評価・処遇が行われており、将来価値を高める”学習”の要素が軽視されている。結果、学習していない人材が登用され、学習しない文化が組織に伝播してしまう。
②危機意識の欠如
後者については、危機意識の欠如が要因である。人材の流動性が低いことや他流試合が行われないことなど外部からの視点で企業をみる機会が少ないため危機感が芽生えにくい。また、企業内部の競争という面でも、任期制が履行されない点や降格が少ない点など、生存欲求を刺激する”ゆらぎ”が生じていないことが要因だといえる。

行うべき施策
上記のような問題を解決するためには下記2つの施策が重要だといえる。
(1)評価基準を明確にし、”学んでいる人”を上に上げる
リレーションシップや過去の実績のみで評価や処遇が行われることを回避するためには、評価基準を明確にする必要がある。評価基準が明確で”見える化”されることで、評価や処遇に説明責任が発生し、不透明な人事がなされない。

(2)外部人材の投入など で、組織に競争意識を注入する
外部人材の投入や他流試合を行うことで危機感や競争意識を醸成することが重要である。組織への伝播という点では、とくにトップ層に外部人材を投入することが有効である。トップ層に外部人材が入ることで、外部の視点や内部の良い競争意識が生まれる。外部人材を入れる際には、「スキルセット」、「求める役割の明確化」、「トップのサポート」が必要になる。

<要旨詳細>

学習する組織になるために何が必要なのだろうか?本委員会では、メンバー層・ミドル層・トップ層の各層で今起こっている学習機能不全の要因と、その解決策について議論した。

メンバー層の学習について

メンバー層が学習しなくなった要因として下記3点があげられる。
・社内のタテ・ヨコや取引先など、社内外のコミュニティの強制力が減退し、他者との
関わりの中で学ぶ機会が減少している。
・組織の拡大が止まったことでチャレンジングな仕事や責任ある仕事を若い頃に任されられなくなった。結果、若手の成長機会が失われ、学習意欲が喚起されなくなっている。
・若手自身の意識が変化した。以前のような密な人間関係を会社に求めなくなっているため、(学ぶ者は自主的に学ぶ一方で)学ばない者が学ばないままになっている。

これらを解決するために、ひとつには「学習はあくまで学習者主体であり、人事はそれをサポートする」視点への切り替えが必要である。自分で学びたいことを個人が自主的に学びに行き、人事は金銭的なサポートや成長機会の提供など、その学習を促すことが求められる。しかしながら、メンバー層の学習意欲はミドル層やトップ層の学習する姿勢が大きく影響する。そのため、メンバー層だけの対応では学習意欲は減退していく。ミドル層やトップ層に競争意識を注入し、組織全体として学ぶ文化を醸成することが求められる。

ミドル層の学習について

ミドル層に学習意欲が喚起されない理由として、下記の点が要因として挙げられる。
・上のポストが詰まっていることなどから、さらに上を目指す意欲が減退している。
・経済の停滞により成長するイメージが沸かず、「何を目指せば良いか」といった方向性
や「これを世に提供したい」という志を見出しにくい。
・他流試合がないため、外からの目線で企業をみることができず危機感が醸成されない。
・トップ層が学んでいないため、学ばない文化が伝播してしまっている。
・評価基準が不明瞭なため人間関係のリレーションや過去の実績のみで昇格がきまり、そもそも学ばない人が上がってしまっている。
評価基準を明確にすることで、”学んでいる人材”が上にあがる仕組みにすることが必要である。また、トップ層が学習することや他流試合を行わせることで、危機意識を醸成し、学習意欲を喚起させる必要がある。

トップ層の学習について

組織が学習するためには、まずはトップが学習し、その姿勢が下へ伝播していくことが必要である。では、トップが学習しないのはなぜだろうか?委員会ではトップが学習しないメカニズムについて下記のような意見があげられた。
・トップ教育が企業内部で行われていることや、他流試合が行われないことから外との
競争意識を持ちにくい。
・経営層の流動性が低く外部人材の投入が少ないため、危機感が刺激がもたらされない。
・役員以上のポストについて”上がり”のような意識が蔓延している。

トップ層の学習意欲を喚起するために必要なのは競争意識の導入である。委員会では、とくに外部人材を経営層に入れる有効性について議論された。経営陣に外部人材(ゲームチェンジャー)が入ることでトップ層に良い緊張感がもたらされるとともに、学習の文化がミドル層にも伝播する。尚、外部人材を入れる際には、「スキルセット」、「求める役割の明確化」、「トップのサポート」が必要になる。また、孤立を防ぐために外部人材を複数名いれることも有効であろう。

日時:2012年1月23日(木)18:30~21:00
場所:株式会社インテリジェンスHITO総合研究所 会議室
参加者:
産能大学大学院 経営情報学研究科 教授 城戸康彰氏
株式会社ワークハピネス 取締役 藤岡長道氏
産業革新機構 執行役員 西口尚宏氏
株式会社資生堂 執行役員 アキレス美知子氏
バイオ・ラッド ラボラトリーズ株式会社 執行役員 人事総務部長 石山恒貴氏
株式会社インテリジェンスHITO総合研究所 主席研究員 須東朋広氏

事務局:
株式会社インテリジェンスHITO総合研究所 研究員 田中 聡
株式会社インテリジェンスHITO総合研究所 研究員 森安 亮介

※肩書きは当時のものです

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