ホーム > 調査・研究 > 研究活動 > ミドルの未来

研究活動

全て
  • グローバル人材マネジメント
  • タレントマネジメント
  • ミドル
  • チェンジマネジメント
  • キャリアマネジメント

ミドルの未来

ミドル3

55歳定年制が一般的だった高度成長期では、45-55歳とは職業人生を締めくくるキャリアの集大成にあたる時期でした。しかし70歳まで働くことを前提とすると、45歳は折り返し地点を過ぎたばかりの時期にすぎません。ミドルが転換期を迎える今、ミドルのキャリアデザインやミドルマネジメントはどうあるべきなのでしょうか?

- フォーラム
【第3回HITOフォーラム「ミドルの未来」】
<第1部> 『マクロ視点からミドル問題を考える ~「ミドルのこれから」について自助・共助・公助の観点から考える~』

2012.11.28

hito_forum3_pt1_1_01職業人生が長期化し、『70歳現役社会』が現実味を帯びてきました。一方、激変する市場環境の中で、企業寿命は短くなっています。

70歳現役社会を前提にすれば、45歳とはまさに職業人生の折り返し地点です。思い返せば、つい最近まで企業は「55歳定年」と唱われ、45歳は職業人生の終焉に向けて準備して行く年代でした。しかし、そうした社会への移行は働く人の職業観・キャリア観・働き方の根本的な見直しを迫ることとなりました。

それでは人事部門は人材マネジメントの在り方(ミドルマネジメントも含め)をどう見直せばいいのでしょうか?

直面する65歳定年制問題でシニアの方にどう働いてもらうのか、また、これからの日本や企業を担う20代、30代のキャリア・働き方にどう対処していくべきか。
それら全てのヒントは「ミドル躍進のために貢献すること」です。そこで、本フォーラムでは「ミドルの未来」に向けて、企業(人事、マネジメント)、国家が果たすべき役割について、議論いたしました。

【第1部】『マクロ視点からミドル問題を考える~「ミドルのこれから」について自助・共助・公助の観点から考える~』

≪パネリスト≫
法政大学大学院 政策創造研究科 教授 諏訪康雄 氏
経済産業省 経済産業政策局 参事官(産業人材政策担当) 奈須野太 氏
株式会社日本総合研究所 調査部長 チーフエコノミスト 山田久 氏
≪ファシリテーター≫
インテリジェンスHITO総合研究所 主席研究員 須東朋広

 

第1部では、日本のマクロ環境を踏まえた上で、ミドルを取り巻く課題やその解決の方向性ついて議論いたしました。

【課題】求められるプロフェッショナルとしてのミドル
従来のミドルは既存組織の拡大再生産のために、既存組織・既存事業の管理や先輩としての部下育成が求められていました。
また、企業のキャリアパスも基本的には管理職への一元化で十分に機能していました。

しかしながら、
・グローバル化に伴う生産・販売部門の海外シフトにより、国内は本社機能やマザー機能が中心になったこと
・市場の成熟化により、マーケティングやソリューション提案が重要になったこと
等の背景を受けて「知識・熟練労働」、「もてなし労働」の重要性が高まりました

そうした中、
ミドルには「プロデューサー」や「コーディネーター」としての役割が期待されるようになっていますが、
現状のミドルには下記のような点が課題となっています。
■全般的に専門性が弱くプロ人材でない。
■知識、技術技能、時代感覚の変化についていけない。
■組織内での協業はできても外部との越境的な協業が苦手である。
■多様な考えの人との協業ができない。

今後、産業構造の変化に伴い、200万人規模の職種転換が必要だとされています。しかし、労働市場の実態をみると、年齢が高いほど転職者比率は低くなっており、業職種を超えた労働移動は非常に難しいものとなっています。
ミドルが自らの専門性を武器に、プロデュースしたり、コーディネーターとして協業していくようなプロフェッショナル人材とし、キャリアチェンジできる人材になることが求められています。

ミドルがプロフェッショナル人材になるために
では、ミドルが仕事をプロデュースできたりコーディネートできるためにプロフェッショナル人材になるにはどのようにすれば良いのでしょうか?
議論の中では下記のような解決策が挙げられました。

hito_forum3_pt1_1_02(1) 自助:キャリア意識の醸成
ミドル自身が出来ることは、キャリアについて自分で考え、真の専門性を磨き続けることです。真の専門性とは、「他の人やモノにより代用されるものではなく」、「希少性が高く」、「社会的ニーズが十分にある」という3 条件が揃っていることを意味します。つまり、自身の生み出せる価値を、いかに会社において発揮し、さらに社会で発揮するかが問われています。

これらはもちろん個人が行うことが前提となりますが、企業はそれを支援する立場として「場」の構築がポイントになってきます。会社の中でキャリアを考えるようなサードプレイス的な「場」を作るようなことが求められます。

hito_forum3_pt1_1_03(2)共助:プロフェッショナル人材が活躍する場の創出
企業には上記のような「キャリアについて考える場」創りに加えて、「プロフェッショナルが活躍できる場」創りも求められます。プロフェッショナル人材が育成されない背景として、男性中心の単線型キャリアコースが依然として残っている点が挙げられます。大卒で入社すれば、能力の有無にかかわらず、そこそこのポストまでは上がれてしまう企業が多いのが実情です。
しかし、自らの能力が養われていないまま役職に就き続けることは、例えば役職定年で役職から外れたとき企業・個人双方にとって不幸になります。役職定年でたとえ役職を外れたとしてもエンプロイアビリティ高い層でいるためにもキャリアコースの多元化が求められます。

フォーラムでは、複線型のキャリアコースの一例として「ライフステージに応じた働き方ポートフォリオ」が日本総研 山田様から紹介されました。若いときは正社員や派遣社員として働き、役職定年後にはデペンデント・スペシャリスト(限定型正社員)として、そして定年後にはインディペンデント・コントラクター(契約社員)として働くモデルです。

(3)公助:成長産業への労働移動促進とセーフティネットの拡充
政府には、上記のようなプロフェッショナル人材が高い付加価値を生み出すためにも雇用の流動性を高めることが求められます。環境・バイオ分野やクリエイティブ産業、グローバル展開企業といった成長産業にプロフェッショナル人材が集まることが求められます。
そのためにも学び直しやマッチングの機能を国として支援し、各キャリアに必要な能力・スキル・知識について、社会全体のコンセンサスをつくることが必要となってきます。
同時に、キャリアチェンジのリスクを下げるためにもしっかりとセーフティーネットを設けることが、個人が新しいキャリアに挑戦する機会を増やすことが必要なのではないでしょうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

- 連載記事

  • メルマガ登録はこちら
    ※メールマガジン 配信停止をご希望の方は、こちらへお進みください。